守るべきは業界ではない
著者の書いていることについて、現状の客観的な理解の部分についてはすべて正しいように感じるし、「ビジネスモデルを進化させなければならない」とする結論にも同意する。ただ、「いかに立ち向かうべきか」というタイトルにある通り、彼は Amazon Kindle に端を発する書籍革命を「コンテンツ産業を破壊する抗うべき敵」として捉えているらしく、「コンテンツへの愛や理解がない」などと笑える内容が混ざる。
「文化」、「愛」、「理解」などと抽象的なことを言っているが、要するに、彼は自分が所属する「コンテンツ業界」を守りたいのだ。「はじめに文化ありき」などと意味不明なことを言って技術革新を否定するカルチャーファーストという老害の集まりとベクトルの向きは同じである…もちろん、自分の権利だけ主張して現状把握も満足にできない連中と違って、嫌々であっても「ビジネスモデルを変えなければ」という危機感と姿勢があるだけ随分ましだけど。
ある特殊な条件でイノベーションが強制され、そのイノベーションは既存のモデルを破壊し、世の中を大きく変える。その流れに抗うことはできない…せいぜい「文化ありき」と不毛な啓蒙をしてその流れを遅くする程度である…だいたいさ、愛だの文化だの正義だの、環境だの公益だの相互理解だの、そういうことを言わざるを得ない胡散臭い連中はすでに滅びゆく運命にあるんだよ。そこで巣の壁を高くして枝ごと地面に落下するか、思い切って巣から飛び出すか、そこで決定的に違いが出るはずだ…ああ、確か、音楽業界は必死で著作権を持ち出して見事に落下したっけね。出版はどうなるだろう?
特許制度の必要性とその弊害
このエントリーは特許制度の片面しか論じていない。つまり、「発明の利用」の側面が無視されているのだ。
権利者に独占実施を認めれば、不毛な侵害訴訟が起こるなどの社会的コストが高くつく場合があることくらい誰にでも分かる。ただ、科学技術は累積的に進歩するため、過去に行われた研究に関する履歴を社会に公開して誰でも利用できるようにアーカイブすることが非常に重要となる一方で、貴重な経営資源を投下して得た研究成果を自分から「どうぞ使ってください」と開放するお人好しはいないので、技術内容を強制的に開示させる(出願公開など)代償として、「仕方なく」一定期間、一定条件下で独占権を認めているに過ぎない。
だから、
特許や著作権は過去の技術を使った累積的な研究開発を阻害し、イノベーションには負の効果を及ぼす。
というのは話の順序がよく分からないことになっていて、少なくとも特許法の建前としては、「その累積的な研究開発を行うためには公開させなきゃだめでしょ」ということになっている…もっとも、独力で車輪の再開発をした結果、それが特許発明の技術的範囲に入っていて、しかも抗弁事由がないとなればちょっと気の毒なことになるわけだけど…そういう場合は金儲けを企んで開発するならちゃんと公報を調べろ、というのが建前である。
特許の数を増やすことがイノベーションだと思い込んでいる人がいるが、両者は無関係である。日本企業の取得した特許は人口比では世界一だが、ほとんどが死蔵されてイノベーションに結びついていない。経済学の実証研究でも、企業が競争優位を守るために使う手段としてもっとも重要なのは、速く開発することによるリードタイムや企業秘密で、特許はほとんど重視されていない。
…これは、多くの日本企業が勘違いしているところだと思う。例えば、出願件数にノルマを課すなんてナンセンスもいいところだ。企業の経営者は(うちの会社もそうだけど)、数を打てば何かが当たるとでも思っているのか、あるいは、技術者が小遣いにもならない少額の特許補償目当てに開発をがんばるとでも思っているのか、その真意は知らないが、知財権の使い方もモチベーションの与え方も間違っている。
ただ、再度同じことを書くと、特許制度はあくまでも「技術内容を強制的に開示させること」に主眼があるので、企業が特許を取って競争優位になろうがなるまいが、それは法の知ったことではない(それを目的に立法されていない)…なので、企業に競争力がないとすれば、それは知財権の使い方を間違えているだけの話であって、特許制度の責任ではない。
かつて技術は大企業が巨額の投資を長期間おこなって開発するものだったが、現代の技術開発の大部分を占めるソフトウェアにおいては設備投資はほとんど無視でき、ネット上のコラボレーションが重要になる。「知的財産権」によって技術を囲い込むことは、独占価格で固定費を回収する効果よりコラボレーションを阻害する悪影響のほうが大きい。
この部分はよく分からない。「ネット上のコラボレーションが重要になっているのに、大企業が技術を権利化して囲い込んでいるので、それが促進されない」ということを言いたいのだろうか?論理の飛躍があるように思う。
…とはいえ、現行の特許制度が社会の変化についていけず、問題だらけなのはよく分かる。昔に比べて技術進歩のスピードが上がり、既存技術が陳腐化する速度も上がっているのに、存続期間は出願から20年と長く、権利者に対して過度に手厚いように感じる(これは TRIPS に加盟しているためだ)。もっとオープンイノベーションを盛り上げて、技術を活発に流通させる必要がある…それは、技術と、法律と、そして経営を知っていないとできないだろう。そういう部分に、弁理士の新しい活躍場所があるように思う。
がんばろう。時間がない。
だから産学連携はうまくいかない
最近、ツイッターでたまたま同じタイミングに投稿された2つのつぶやきが気になった。
@mig4325 これは大いにある。RT @benrishikoza: 不実施補償がうざいとか?RT @furyoshain 国内大学が海外展開を考えるよりも、なぜ国内企業と手を組めないか、真剣に考えるべき
@shigepongRT: @techon 大学教授に聞きにこない日本メーカー http://bit.ly/9TsOdu
かつては大学の研究者として企業からの共同研究を受けていた立場、いまは企業の研究開発部員として大学へ共同研究を投げる立場、その両面から見ると、日本の「産学連携」などほとんどうまくいきはしないように感じる。研究者が企業の期待にちっとも応えないからである。
企業の研究所(研究開発部門)に雇われている技術者・研究者は、グーグルや IBM などの超一流のグローバル企業を除いて、アカデミック分野で活躍するプロの研究者ほど専門知識はない。だから、新しい製品を実用化するにあたって難しい課題に直面すると、そうした専門家の知識を利用したいというニーズは少なからずある。ところが、企業から依頼を受ける研究者は、せいぜい「学生の修士論文のネタ」程度にしか考えておらず、あまり真剣に取り組まない。研究委託費を受けていることについて、まったく誠実でないのだ。
僕と同期だった友人や研究室の後輩が共同研究として受けた課題に取り組んでいたが(僕自身は共同研究に携わることはほとんどなかった)、その対応はひどいものだった。たいてい打ち合わせの3日前くらいに呼び出されて適当な指示がなされて(「こういうシミュレーションをやっておけ」、「こういう資料を準備しろ」など)、学生が弱音を吐きながら準備をして(それをさんざん聞かされた)、あとは指導教官が打ち合わせを適当にごまかす。まずは相談したいと課題を持ち込んできた企業の技術者に対して、自分たちの得意分野でのみ話をして煙にまき、「あの人は出張報告書に何て書くんだろうね?」。実に、「表面を取り繕う」、「面従腹背」という言葉がぴったりである。
こうした歪みが生じるのは、企業は専門家の知識を利用して利益を上げることが目標であるのに対して、研究者は論文を書くことが目標だが、企業が持ち込む課題は必ずしもその分野の先端課題の解決につながるものでないため、当の研究者の興味を引かないことが主な理由である。その研究委託を受けても論文が書けない(=その分野の先端課題の解決にはつながらない=業績として評価されない…自分の探究心を刺激すらしない)となれば、研究者にとっては単なる「研究費の調達手段」でしかないので、お金だけもらって「修士学生に投げとけ」ということになる…まあ、研究者にしてみれば企業の開発がどうなろうと知ったことではないので、人間としてそうなる気持ちは分かる…だから、産学連携をうまくやろうと考えるなら、まずは共同研究の受託を研究者の業績にカウントすることである。
それにしても…「研究者は論文だけ書いていればいい」なんて傲慢に過ぎる(まさか、「そんなことを言った覚えはない」なんて言わないよね)。税金から拠出される科研費を受け取り、企業から研究委託費をもらっているなら、しっかりと自分の研究の意義を世間に説明するとともに、企業に対する自分たちの対応をよくよく省みるべきだ。(どこの教授がこんなことを言ったのかは知らんが…引用:)「日本メーカーはね,大学にはあまり質問に来ないんですよ」などと憂えるのは、足元が見えていない証拠である。
事業仕分けで明らかになったように、金魚鉢みたいな小さい世界で研究に没頭している世間知らずの研究者を、世間の人々は冷ややかに見てるんだよ。そのことに、せめて少しでも気づく方がいい。利用価値のある専門知識なら、企業は常に利用したいと思っているから。
パソコンにみる日本メーカーの憂鬱
先週の日曜に、嫁さんのノートパソコンを物色しに大阪のヨドバシカメラに寄った。ズラリと並ぶパソコンを見ていて、日本メーカーはこんなつまらないパソコンばかり作って利益が上がっているのか疑わしく思った。
パソコンを作って売るとなれば、①製品を企画して、②部品を調達して、③組み立てて、④流通に乗せる必要があるが、このうち②部品調達と③組み立ては個人でもできる価値の低い仕事だし、④流通に乗せるなど小売と付き合いのある大手メーカーならわけもないことで…というか、その部分は本来メーカーの仕事ではない。すると、①製品企画で勝負することになるが、「さすが!やはり日本のメーカーは高い技術力に裏打ちされた他には真似のできない魅力的な製品を作るなあ!」と思えるようなユニークバリューのあるパソコンや、付加価値の高いサービスと連動させるなどの見通しの良いビジネスモデルを打ち出しているパソコンなどはどこにもなく、右を向いても左を向いても揃いも揃って魅力に乏しい似たような製品が並んでいて、ひどいのになると明らかに iMac を劣化模倣したような製品を恥ずかしげもなく作っていたりする(意匠権の侵害にはならんのかなあ…?)。
そんな貧相な製品企画であれば他のアジア諸国でも十分にできるので、最近は Acer や ASUS などの中国・台湾企業の製品の方が売り場面積が広い(つまり、売れている)。部品調達や組み立ては当然新興国でやっているにしても、企画や周辺業務でより多くの日本人が関わる分だけコストが高くつくが、その値上がり分を補う魅力が製品にないからだ。もちろん、正直にそのコストを製品に反映させてしまうと本当に売れないので、うっすい利益を泣く泣く飲んで売ることになる。
本当なら、こんな利益率の低い事業などやめてしまいたいに違いない(僕が経営者ならそう思う)。でも、やめるとその事業に従事する従業員の行き場所がなくなるし、大手メーカーの体裁なんかを考えると簡単にはやめられない…まあ、要するに、惰性で売り続けているのだろうと思う。そうなると、もちろん従業員の士気は上がらない、ますます売れない製品が作られる…という最低のスパイラルに陥る…あのさ、パソコンにテレビ載せて、誰が買うねん?少なくともヘビーユーザーは買わないような気がする…となると、ターゲットは「パソコンをちょっと使いたい一般人」ということになるが…そういう層はデスクトップは買わないだろうし…一体どういう商売がしたいんだ?
家電屋に行くと、いつも日本メーカーの暗い行く末が予見されて暗澹たる気分になる。今日、戦略系の各コンサルティングファームへエントリーをしたと某エージェントから連絡があったが、本当に日本のメーカーを救えるのか?
株の値動きを予測することはできない
「投資セミナー」などのキーワードで検索すると山のようにセミナー情報が引っかかるが、こんなのに参加するなんてアホじゃなかろうかと思う。
ある銘柄が値上がりするか値下がりするかを予測することは、理論的には可能かもしれない。その銘柄の価値に影響を与える隠れた要因の因果関係を正確に推定し、その巨大な因果ネットワークに含まれる膨大な数の非観測状態を全部推定した上で、確率的に上げ下げを予測して最適な手を決める…机上の空論であって、現実的でないことはすぐに分かる。だから、「スゴ腕のファンドマネージャーが運用して巨額の利益を上げているファンドがある」ことについては、それは「まぐれ」以外の何ものでもない。
例えば、地球上の人間全員がペアを作ってジャンケンをし、負けた人から海へ投げ込まれるという壮絶なゲームを繰り返したとすると、60億人の中でたった1人だけ1度も負けることなく地上に立っていられる人間が存在するのと同じように、そのアクティブファンドは数あるアクティブファンドの中で「たまたま」連続して予測が当たったというだけだ…これは少し極論に過ぎるかもしれないが、成果の大部分がまぐれであることは間違いないと思う。
膨大なデータに基づいて巨額の資金を動かせるファンドマネージャーですらこのザマだから、素人がデイトレードで一発逆転を狙うなんて、証券会社からしてみればカモネギもいいところだ。まして、証券会社主催の投資セミナーなんて、動くお金の額が大きい分だけ悪徳商法よりタチが悪い。だいたい、「こうすれば儲かる」みたいな必勝法があるなら、そのセミナー講師は見ず知らずの連中に教えずに、こっそり一人で大儲けしてるだろうに。
「じゃあ、どうあっても予測は無理なのか」と言うとそうではなくて、例えば、タバコの煙の各粒子の動きは予測できないけれど、タバコの煙全体としては下から上へ立ち上るという一定の秩序があるので、これはもちろん予測ができる。だから、「その業界全体は今後伸びるだろう」、「この国の経済は今後発展するだろう」という予測には意味があって、その予測の中で分散投資するのが賢い…まあ、常識だけれども…結局のところ、有望な経済の適当なインデックスファンドを長期で買い続けるというのが最も期待値が高い戦略になる。
…などと、「夢のない」ことを言っても人気は出ないので、僕も「こうすれば大儲け!株必勝法!」みたいな本を書いてみようかしら。アホがいる限り、小銭は稼げる。
スマートフォンのススメ
「iPhone で生活が変わったって言うけど何がそんなに便利なのか?」と訊かれたので、これまでの携帯では実現できなかったスマートフォンの便利な使い方を順番に紹介したい…結論から先に言ってしまうと、①クラウドコンピューティングを実現することであり、キーワードは「同期」(自分自身と情報を共有すること)、②新しいコミュニケーションの形態を実現することであり、キーワードは「ソーシャルメディア」(他人と情報を共有すること)の2つである。なので、日常的にコンピュータを使わない人が iPhone を持っても、派手なゲームを遊べるだけで電池の消耗が激しい携帯電話に過ぎないので注意が必要だ。
(1) Gmail と同期することでメールアドレスを一元化できる
もちろん、ソフトバンクから携帯用のメールアドレスをもらえるが、そんなものは使わない。iPhone のメールを普段使っている Gmail と同期させ、メールの送受信に関してパソコンとモバイルの区別をなくしてしまう。これにより、メールアドレスを一元化することができるので、①重要なメールがパソコンと携帯に散在することがなくなるので管理が楽、②送る側も窓口が1つになって嬉しい、③携帯のキャリアを変更したときにメールアドレスも変わらない(iPhone と同様のスマートフォンを使い続ける限り)。特に、Gmail を仕事で使っているような人には必須の機能であり、その便利さのインパクトはものすごい。
(2) Google カレンダーと同期することでスケジュールの管理を一元化できる
パソコンで予定を入力すれば同じものを iPhone でも確認できるのが便利。もちろん、iPhone で入力したものをパソコンでも確認できる…んだけど、さすがに iPhone からピコピコと複雑な入力をするのは面倒なので、手帳を完全にリプレースするのは難しい(このあたりにはまだデジタルの限界がある)…にしても、パソコンで入力した予定をどこでもチェックできるのはやはりすばらしい。
(3) Google リーダーと同期することでどこでもお気に入りのサイト(ニュースなど)をチェックできる
移動中などのスキマ時間で読めるし、更新分だけに効率よく目を通すことができるので、以前よりも大量のニュースやブログを読んでいるのにパソコンでネットサーフィンする時間が劇的に減った。RSS リーダーには Reeder という iPhone アプリがおすすめ。あとは、Twitter のタイムラインと新着フィードの表示が一体化されたらいいのに。
(4) 外部ストレージでその他のデータも同期して一元化管理できる
Evernote、SugarSync、Dropbox といったストレージサービスのおかげで、ネットワークに繋がる環境にさえあれば、ここへ放り込んだすべてのデータはあらゆる電子機器からアクセスできる。もちろん、iPhone にはこれら専用のアプリがリリースされていて、大事な文書を PDF 化したものだったり、聞きたいと思っていた音楽だったり、友だちと共有したい写真だったりが、すぐに取り出せる。
ここまで、「同期」により自分自身と情報を共有(一元化)できることを示した。これだけでも十分便利だけど、さらに「ソーシャルメディア」で他人と情報を共有できる。知らない誰かが残した情報を有効活用させてもらうことで、自分では知り得ない何かについて知ることができる。
(5) Twitter が超便利
言わずと知れたソーシャルメディアの代表格。友だちとコミュニケーションを取るだけでなく、たまに有益な情報を流している人がいるので、フォローするといろいろと勉強になったりする。ソーシャルフィルタリングとはまさにこのこと!…と鼻息が荒くなるほど影響力がある。
(6) GPS からの位置情報を使ったアプリが新鮮
例えば、「食べログ」などは実際にそこで食べた人の口コミ情報や写真が Google マップの上に表示され、現在地からの道順や電車の乗り継ぎ方などのナビまでしてくれる。Foursquare や Gowalla などの位置情報と連動したソーシャルゲームは、誰かが街に残したアイテムやメッセージを見て楽しむことができる。いままでになかったモバイルならではの楽しみ方で、こういう新しい試みが今後も増えていくだろうと思うと単純に嬉しい。
その他、注目情報:
- FeliCaカード対応iPhoneケース: FeliCa に対応するということは、ほとんどの電子マネーカードに対応するということだから、iPhone さえ持っていれば財布がいらない、決済履歴がすべて残る、クラウドコンピューティングによりすべての電子機器で決済情報が同期する、そのカードがアカウントアグリゲーションサービスと連動していればもう最強…ということで、いろいろと妄想すると夢のようです。たぶん、これからリリースされるスマートフォンには全部 FeliCa が内蔵されるようになるんじゃないかなあ(ソニーから特許ライセンスを受けられれば)。
- ソニーエリクソン Xperia: Google のサービスをフル活用している僕としては Google ケータイが欲しかったんだけど、携帯を変えたくてどうしようもなかった頃はこの発売時期がまだ先との噂だったので iPhone にした経緯がある…もちろん iPhone で全然不満はないんだけど、これを見るとさすがにかなり気になる。これから携帯を変えようと考えている人は、iPhone とあわせてじっくりと検討すべきと思います。
とにかく、スマートフォンを持つということはコンピュータをポケットに入れて持ち歩いているのと同じなので、普段からコンピュータを使い慣れている人はぜひともスマートフォンに持ち替えるべきだと思います。
ネットで勢いを増すクチコミの力
昨日、日興コーディアルのサービスは最低だという内容をツイッターでもつぶやいたら、それがファイナンシャルプランナーが金融情報を流すアカウントに「確かにこれはひどい」というコメントつきでリツイート(転載)された。そのアカウントをフォローする人は560人ほどで、当然そういう情報に敏感だろうし、その内容がさらにリツイートされるとものすごい勢いでクチコミが広がる。
今回はたまたま僕のつぶやきを拾われただけで、ツイッターを始めたばかりの僕は今のところまったく影響力などないけど、これが何万人とフォロワーを擁する有名人だとその影響力はものすごい。この間、勝間和代(フォロワー28万人)が「これいいですよ」と言って自転車につけるミニスピーカーを紹介していたけど、たぶん、一瞬で品切れになったはずだと思う。僕と同じことを彼女がつぶやいていたら、28万人のフォロワーだけでなく、その数%がリツイートで反復するだろうから軽く100万人規模に影響が及ぶ。新聞に広告を出すよりインパクトが大きいから、日興コーディアルは真っ青になるはずだ。
これから、こうしたソーシャルメディアはいよいよ規模が大きくなるだろうから、当然クチコミの影響力はもっと大きくなる。情報の伝播が早くなると、企業のセレクション(自然淘汰)も早くなるだろう…昨日は、ツイッターの威力を目の当たりにして、実に驚いた。
ツイッターおもしろいよ、皆も登録してみ
#1
最近はツイッターに執心な上に、わりといろいろと忙しいのでブログを書いてる暇がない…いや、暇とやる気が一致しないというだけで、本当はあるんだけど…ない。いろいろ書きたいことはある、山ほどある、ただまとめるのが億劫、億劫なんだー!だー!だーっ!!(エコー)
#2
セブンイレブンからの預金の引き出し手数料や他行への振込手数料が無料だったりで、銀行にしてはサービスが良かったから(当然のサービスとも思えるが)オープンした当初あたりから新生銀行をメインバンクとして使ってやってたのに、最近はサービスの質の劣化が激しいのでソニー銀行へ乗り換えることにした。
口座から自動振替されているものがいくつかあるので(水泳の月謝とか…なぜか電気もガスも口座から直接落ちてた)、この際可能なものは全部クレジットからの支払いに切り替えようとしている。ポイントもたまるしね。
ついでに、証券会社も乗り換えることにした。いままで取り扱い銘柄の数が多いという理由だけで日興コーディアルの投信スーパーセンターを利用していたけど、やはりこちらもいろいろとサービスが悪いので、楽天証券か SBI 証券あたりに移ろうと思っている。で、買った投資信託を新しい証券会社に移管しようと思ったら、どうやら日興コーディアルは顧客の流出を阻止するために他社への移管サービスを行っていないらしい。これって、独占禁止法とか、金融商品取引法とか、そのあたりの法律に違反してたりしないの?キイイイイ!…日興は二度と使わないことに決めた。
#3
iPhone を買って以来、電車の中では RSS に登録した記事を読みあさっていたが、さすがにちょっと勉強しようと思い直して会社の行き帰りは再び勉強するようにした。そうすると、Google リーダーには未読のフィードが山のように溜まって、寝る前だけではとても全部に目を通せない。仕方がないから少し間引くことにしたけど…面白いサイトを見つけるたびに RSS へ登録するもんだから、なかなか減らない。困った。
気が向いたらメールください
当ブログの読者の半分は個人的な友人からできていますが、残りの半分の人が何を考えて見ず知らずの30代前半、男性、会社員が「風邪ひいた」などとボヤくブログを熱心に読んでいるのかが気になるので、ぜひメールください > hajime.fujita@gmail.com
ちなみに、最近は Twitter を使うことを覚えたので、しょうもない小ネタは全部そちらに回っております。
会社員が熱心に働く理由(2)
最近、それは「仲間の評判を損なう恐怖」だと気づいた。つまり、確かにこの仕事に力を尽くしたところで自分が特別に儲かるわけでもないし、適当に放置して会社に損害を与えたところでクビになるわけでもないが、いま自分がこの仕事をやらなければ周囲で熱心に仕事をする同僚に迷惑がかかる…という感覚である。これは「自分の仕事に対する責任感」や「組織への帰属意識」と呼べるほど高尚なものでは全然なくて、「疚しさ」、「申し訳なさ」、そして「人間関係への過剰な配慮」に過ぎない。では、なぜそれほどまでに周囲の評判を気にするのだろう?
それは、一度損なうと回復不可能な長期の人間関係が職場の居心地や考課結果の良し悪しを決めているからと思われる。特に、一定の年齢を超えて転職というリセットが使えなくなるとホールドアップの状態に陥るので、「私は空気の読めるまじめな社会人です」という評判を維持し、不利な立場に追い込まれることを避けるために(レールを踏み外さないために)、残業にも、満員電車にも、単身赴任にも耐え、文句を言わずに熱心に働く。
もちろん、彼ら・彼女らは本当の意味で「熱心に」働いてなどいない。どうせ後ろ向きにこなす仕事に過ぎないなら、勤務時間の濃度はなるべく薄めて「熱心に」働いているふりさえしていればいい。こうして、無駄なルールが増え、余計な書類を書かされ、無意味な残業をこなし、会議は長く、意思決定は遅く、責任を取らない…要するに、例えば「生活のため」という言い訳の下で現状維持のバイアスが強く働き、それが続いていつの間にか転職不可能な年齢になり、いよいよ現状維持(=会社にしがみつく)しか選択肢がなくなった結果ということらしい(…ついでに言うと、「思考停止して現状維持に必死になっている」という状態に無自覚で、「私は熱心に働いている」と勘違いしてすらいる人間が(そういう連中はたいてい体育会系である)、「会社への帰属意識」を盾にして同じように「熱心に」働くことを強制することがあるが、甚だ迷惑としか言いようがない)。
もっとも、正社員である恩恵は小さくない。少なくとも、言われたことさえしていれば当面はノーリスクで利益の分け前にあずかることができる。大企業であれば福利厚生が充実している場合が多いし、コンプライアンスの制約があるため不当解雇などの強制措置にも強力に対抗できる。なので、自分が熱心に働いていることの本当の理由について意識的でない人にとっては、会社員ほど気楽な商売はない(もちろん、「組織が健全に存続するならば」という条件つきだけど)。
これが、少なくとも僕の周囲を見渡す限り、会社員が熱心に働く理由について、最も普遍性があり、最も説得力があり、いまのところ論旨に破綻が見つからない仮説である。これが本当だとしたら、サイテーだ。
では逆に、やりがいを持って機嫌よく働いている人とは何が違うのだろう?
(あー、長い、また続いてしまった)












